人物・発言
ヴィタリック氏が採掘とAIの費用を比較 電気代だけでは見えない違い
ヴィタリック・ブテリン氏が、ビットコイン採掘とAI推論で異なる費用の構成に言及。ともに計算用の設備を使いますが、設備投資と電力費の割合を同じものとしては読めません。

この記事のポイント
- ヴィタリック氏は採掘とAI推論の費用構成の違いを指摘。
- 設備投資と電力費は、お金が発生する仕方が異なる。
- 費用の割合、電力使用量、事業の利益はそれぞれ別の情報。
比較する際にそろえる条件
| 確認するもの | 読み違えやすい点 |
|---|---|
| 処理の範囲 | AIの学習と推論を混同しない |
| 金額の単位 | 1BTCとGPU稼働年などの総額を直接比較しない |
| 設備と利用率 | 概算の比率をすべての事業者に適用しない |
採掘は設備と電力、AI推論は設備中心という見方
イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏は10月17日、ビットコイン採掘では計算設備への投資と電力が概ね半分ずつを占める一方、AI推論では計算設備への投資が支配的だ、という趣旨の比較をXへ投稿しました。
ここでいうAI推論は、学習したモデルに依頼を送り、回答などを生成させる処理です。モデルの学習と、そのモデルを利用する推論では費用の計算範囲が違います。今回の投稿も、AIに関わるすべての事業の費用をひとまとめに述べたものとしては読めません。
設備代は、電源を切っても消えない
計算設備への投資は、機械を購入し設置するための費用です。電力費は動かす過程で発生します。どちらも計算に必要ですが、同じ性質のお金ではありません。機械を止めたとき、使わなかった電力の費用と、すでに購入した設備の負担は異なる動きをします。
設備の利用率や償却期間、資金調達の条件も、費用の見え方を左右します。電力の比率が低いという比較は、絶対額の電力使用量が少ないことや、電気代が重要でないことをそのまま意味しません。全体の費用の中での割合と、消費する電力量は別の数字です。
単位と前提をそろえて読む
採掘の費用を1BTC当たり、AIの費用をGPUの稼働期間当たりで示した場合、その金額を直接並べても同じ仕事の原価比較にはなりません。比較できるのは、それぞれに設定した条件の中で、どの費用が大きいかという構成です。
また、個々の採掘施設には電力契約や設備の違いがあり、AI側も機器や利用率によって条件が変わります。投稿の概算をすべての事業者に当てはまる固定比率として扱うべきではありません。ビットコイン価格や採掘企業の利益を、この比較だけから予測することもできません。
出典・参考資料
内容は確認日時点の資料に基づきます。利用条件や今後の日程は、リンク先の最新の案内もご確認ください。