基礎知識

ウォレットと秘密鍵

アドレスは伝えてよくても、秘密鍵や復元フレーズは渡せません。ウォレットの役割と、機種変更や送金前に確認したいことを整理します。

ウォレットに入っているもの

ウォレットは、残高を確認したり、送金などの操作をしたりするための道具です。暗号資産そのものをアプリの中へ移す箱、と考えると少しずれます。資産の記録はブロックチェーン上にあり、自分で管理するウォレットは、その記録を操作するための鍵を扱います。

事業者に資産の管理を任せるサービスも「ウォレット」と呼ばれます。まず確かめたいのは、秘密鍵を自分で持つ方式か、事業者が管理する方式かという点です。前者なら復元の準備は自分で行います。後者ならログイン情報の再設定などは事業者の手続きに従います。同じ言葉でも、復旧できる範囲が違います。

アドレス、秘密鍵、復元フレーズの違い

アドレスは、資産を受け取るために相手へ伝える情報です。秘密鍵は、送金などの操作を承認する署名に使います。アドレスを知っているだけで自由に資産を動かせるわけではありませんが、秘密鍵を知られると動かされるおそれがあります。秘密鍵は、問い合わせ窓口にも送ってはいけません。

復元フレーズは、対応するウォレットの鍵を復元するための複数の単語です。一つの秘密鍵と同じものではなく、複数のアカウントをまとめて復元する場合もあります。これを他人が入手すれば、端末のロックを知らなくても資産にアクセスされ得ます。アプリを開くパスワードだけを守っていればよい、というものではありません。

復元の準備は、端末が動くうちに

自分で鍵を管理する場合は、利用するウォレットの公式手順でバックアップ方法を確認します。復元フレーズをスクリーンショットやメールに残すと、クラウドへの同期やアカウントの侵害から流出する可能性があります。オフラインで保管する場合も、紛失、火災、他人の閲覧を考え、読み取れる状態で保てる方法を選んでください。

機種変更では、新端末にアプリを入れただけで元の資産が見えるとは限りません。必要な復元情報と対応ネットワークを確認し、アクセスできることを確かめる前に旧端末を初期化しないようにします。復元情報を失い、鍵へアクセスする方法も残っていなければ、運営会社に頼んでも戻せない場合があります。

接続と署名は、内容を読んでから

ウォレットの接続、メッセージへの署名、送金、トークン利用の承認は同じ操作ではありません。接続先のURLと画面の要求を確認し、何を許可するのか分からない署名や承認は中断してください。サポートを名乗る相手から復元フレーズの入力を求められたら、手続きを止め、相手が送ってきたリンクを使わずに公式窓口を確認します。

送金では、宛先を貼り付けた後の文字列まで照合し、銘柄とネットワーク、必要なタグやメモを受信先の案内で確かめます。承認済みの送金を利用者の都合で取り消すことは通常できません。アドレスが入力できたことだけでは、正しい相手に届く証明になりません。

出典・参考資料

内容は確認日時点の資料に基づきます。利用条件や今後の日程は、リンク先の最新の案内もご確認ください。