通貨解説
USDTの準備資産レポート、まず見るのは公表日より「いつの数字か」
USDTの発行量と準備資産は、異なる日付・頻度で公表されます。保証報告の対象時点、資産の内訳、保証されていない範囲を読む方法をまとめます。

この記事のポイント
- USDTの流通量と準備資産は、同じ頻度で更新されるわけではない。
- 7月31日公表の報告は6月30日時点を対象としており、現在残高とは別。
- 準備資産には現金以外も含まれ、第三者の保証にも対象日と範囲がある。
日付と更新頻度を読み分ける
| 情報 | 公式資料での説明 |
|---|---|
| 流通量 | 通常は毎日公表 |
| 準備資産 | 通常は四半期ごとに情報を公表 |
| 今回参照した保証報告 | 2026年6月30日基準。7月31日の発表で案内 |
| 保証の対象 | 特定時点の財務数値・準備資産情報。会社全体の常時確認ではない |
公表された日と、資産を数えた日を分ける
Tetherは、USDTを含む法定通貨に連動するトークンを、準備資産によって裏付けると説明しています。ただし、その説明を読む際に最初に確かめたいのは日付です。公式FAQでは、流通量の情報は通常毎日、準備資産の情報は通常四半期ごととされ、すべての項目が同じ頻度で更新されるわけではありません。
具体例として、2026年7月31日の公式発表が案内する報告は、6月30日時点のものです。7月末に公表されたからといって、7月末の資産を数えた資料ではありません。10月にそのページを読んでも、数字の基準日は6月末のままです。別の日の流通量と並べる際は、時点が揃っているかを確かめる必要があります。
「100%裏付け」を「すべて現金」と読み替えない
TetherのFAQは、準備資産に通貨、現金同等物に加え、貸付に関連する債権なども含まれると説明しています。6月末の報告にも、米国財務省短期証券だけでなく、貴金属、ビットコイン、貸付など複数の区分が載っています。裏付けの総額が示されていることと、その全部が銀行預金であることは別です。
資産の総額だけを見ると、この構成の違いは見えません。内訳、評価の方法、基準日を読むことで、何をもって裏付けと説明しているかが分かります。また、Tetherの保管用ウォレットにある未発行のトークンは流通中のものと区別されます。「新たに作成された」という記録だけで、その数量がすべて市場に出たと決めることもできません。
第三者の保証報告にも対象と限界がある
6月末基準の資料には、BDOによるISAE 3000Rに基づく保証報告が添付されています。報告は、示された基準に沿って作成された特定時点の財務数値・準備資産情報を対象にしています。別の日付の状況については保証していないことが明記されており、会社の活動全体を常時確認するものではありません。
これは、保証報告があるかないかだけで資料を読むのを終えないための区別です。公表主体、確認した第三者、対象の日付、保証の範囲を順にたどると、資料で確かめられる事実が絞れます。本記事は読み方の解説であり、将来も市場価格が必ず1ドルに保たれることや、あらゆる利用者が即座に償還できることを示すものではありません。
出典・参考資料
内容は確認日時点の資料に基づきます。利用条件や今後の日程は、リンク先の最新の案内もご確認ください。