決済

USDCとEURCを企業の支払い画面へ CircleがSAP出資企業と提携

CircleとSAP出資のTereinaが提携。SAP Cloud ERPを起点に、USDCとEURCを既存の企業向け決済業務へ組み込む計画です。顧客との検証や担当者の研修も予定しています。

企業の決済端末とUSDC・EURCを象徴するコインを、オフィスに配置したイメージ。
イメージ(AI生成)。実際の出来事や製品画面を撮影した写真ではありません。

この記事のポイント

  • CircleとSAP出資のTereinaが、企業の既存決済業務への組込みを計画。
  • 米ドル建てにUSDC、ユーロ建てにEURCを使う構想。
  • 顧客との検証や研修を予定しており、SAP全顧客の利用開始を示す発表ではない。

連携する資産と提供経路

項目発表された計画
米ドル建ての対象業務USDCを優先的なステーブルコインに
ユーロ建ての支払いEURCを選択肢として用意
提供経路SAP Cloud ERPを起点に、SAP Payを通じて対象顧客へ
今後の取り組み顧客との共同検証、担当者の研修など

いつもの業務アプリに決済手段を追加

Circleは10月7日、SAPが出資する金融サービス企業Tereinaとの提携を発表しました。米ドルに連動するUSDCと、ユーロに連動するEURCをTereinaの決済基盤へ組み込み、まずSAP Cloud ERPの環境から企業の支払い業務につなぐ方針です。仮想通貨専用の画面を増やすより、企業がすでに使っているアプリの中で扱うことに重点を置いています。

発表によると、米ドル建ての対象業務にはUSDCを優先的なステーブルコインとして使い、ユーロ建ての支払いにはEURCを選択肢として用意します。同じステーブルコインでも、どの通貨に価値を連動させるかが異なります。ドルとユーロの支払いを一つの銘柄で同じように置き換えるという内容ではありません。

SAP Payを通じて顧客へ届ける

両社はSAP Payを通じてSAPの顧客に連携を提供すると説明しています。企業の経理や財務担当者が、既存の業務を全面的に置き換えず、ブロックチェーン上の決済へ接続できるようにする考えです。送受金だけでなく、企業が複数地域のお金を管理する財務業務も対象として挙げています。

ただし、発表は利用資格を満たす企業を対象としています。SAPを使うすべての会社で自動的に利用が始まったという意味ではありません。具体的な地域別の提供条件、企業ごとの導入時期、利用額の実績までは、この発表から確認できません。提供範囲を読む際は、提携先の顧客基盤と実際に接続する利用者を分けて考える必要があります。

大きな数字は決済実績を表さない

リリースの見出しには、SAPのエコシステムが世界の商取引の84%に関係するという数字が登場します。これは対象となる企業環境の広がりを示すために使われており、その84%がUSDCやEURCで決済されたという実績ではありません。規模の大きい提携ほど、既存顧客の数と新機能の利用実績を混ぜずに読むことが大切です。

今後数か月にわたり、顧客との共同検証、財務・決済担当者の研修、周辺企業との取り組みを進める予定も示されました。実際の企業導入がどの業務から進むかは、その後の事例で確かめる段階です。今回確認できたのは、USDCとEURCを企業の既存業務へ届けるための提携内容と導入経路です。

出典・参考資料

内容は確認日時点の資料に基づきます。利用条件や今後の日程は、リンク先の最新の案内もご確認ください。